投資信託とETF(上場投資信託)は、どちらもプロに運用を任せることができ、簡単に分散投資ができるので初心者にも優しい資産運用です。どちらも長期投資に向いています。
ただ、手数料(年間のコスト)に注目すると
「投資信託よりもETFの方が手数料が安い!」
これが一般的な認識です。
「じゃあETFを買うべきだ!」と思うかもしれませんが、投資信託にも良いところがあります。
今回は投資信託とETFの手数料を比較、それぞれのメリット・デメリットをお伝えします。
理解しておくことで、「こっちに投資しよう!」と自分で判断して投資ができるようになります。
投資信託について知りたい方はコチラ
手数料の比較
投資信託で手数料の安い銘柄の例として、
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)をあげます。
信託報酬:0.0968%
販売手数料:ゼロ
信託財産留保額:ゼロ
手数料が最安級の投資信託です。
投資信託の手数料について詳しく知りたい方はコチラ
これに対し、ETFでは
VOO(バンガード・S&P500ETF)
経費率:0.03%
3分の1以下です!
なぜETFの手数料は安いの?
販売会社の手数料がないからです。
投資信託の場合、信託報酬の一部が販売会社(銀行や証券会社)へ支払われます。
ETFは販売会社を経由せず、すでに市場で自由に取引されているものを買うので、販売会社への報酬は不要です。なので手数料が安くなります。
【注意】為替手数料がかかる
海外のETFは「円」で購入することができません。上記のVOOを購入する場合、アメリカのETFなので、円をドルに両替する必要があります。このとき、為替手数料がかかるのです。1ドルにつき25銭というところが多いです。
すでにドルを持っている人や、分配金で得たドルを再投資する場合は為替手数料はかかりません。
手数料が安いならETFが絶対に良い?
「中身が同じなら手数料が安いものを購入する」これが投資の鉄則です。しかし、投資信託が悪いものなのかというと、そうでもありません。投資信託、ETFどちらにもメリット・デメリットがあります。
投資信託のメリット、デメリット
・自動で積立投資ができる
・自動で再投資ができる
・積立NISAが利用できる
投資信託は、一度、積立設定をしてしまえば後はほったらかしでもOKなのが魅力です。儲け分を自動で再投資してくれるので、自動的に複利効果も得られます。
簡単に言うと、投資信託の方が「楽」なのです。
・手数料がETFより高い場合が多い
・注文から購入完了まで数日かかる
・購入時の基準価額がハッキリと分からない
基準価額は時価ではありません(1日1回、基準価額が決まります)。さらに、株式やETFのように即座に購入ができないので、「今だ!」というタイミングでの購入は無理なのです。
ETFのメリット・デメリット
・値段がリアルタイムで分かる
・指値注文が可能(金額を指定して注文する)
・即座に購入・売却が可能
(SBI証券、SBIネオモバイル証券、auカブコム証券は可能です)
・儲け分を自動で再投資できない
・売買手数料がかかる
・為替手数料がかかる(海外ETF)
・積立NISAはできない
投資信託が向いてる人
楽に運用をしたい人におすすめです。積立NISAも利用できるので、これから投資を始めようという人は投資信託から始めると良いと思います。
ETFが向いてる人
手動で購入となるので、(メンタルも含め)しっかり管理ができる人におすすめです。まずは投資信託で、慣れてきたら次にETFに挑戦しようかなって感じですね。
まとめ
- ETFの方が手数料は安い場合が多い
- 投資信託の方が自動で購入できて楽に運用ができる
- ETFは手動で購入なので、お世話が必要
どっちが正解というものはありません。
私のおすすめは「まずは投資信託、次にETFをやってみる」です。どっちも「やってみる」ことです。やらないと良い悪いの実感が湧かないと思います。ダメだなと思ったらやめることもできます。
投資は自己責任です。自分に合った方法で運用しましょう!